住まい・家族(4)

袖井孝子さんの講演録(141114しんぶん赤旗)から抜粋させていただきます。袖井さんは、シニア社会学会会長・お茶の水女子大学名誉教授です。

1980年以降、「家族の個人化と個室化が進みました。」90年代からは、未婚や晩婚、離別による単身世帯が増えてきました。「ひとりでも暮らせる住宅と住環境」が課題となっています。高齢の単身世帯が増え、近年問題となっているのが、孤独死・孤立死です。

(そこで)シェアハウスは、高齢者の持ち家がやがて空き家となって放置される問題の一つの解決策とも考えられます。

シェアハウスなどを制度的に実現するには、欧米のような「土地や住宅は公共財」という思想と政策への転換が重要だと、袖井さんは強調します。

戦後日本の住宅政策を概観し、「住宅政策の主な関心は景気浮揚策でした。」住宅は使用価値より資産価値(の位置づけです)。

袖井さんは、ヨーロッパの住宅政策の基本にあるのが、「住宅は医療や年金に並ぶ社会保障の柱という思想です」といいます。「住まいは人権、暮らしの土台」なのです。